···メイソンの両親


翌朝、絢ちゃんが私のご飯を
届けてくれた。

絢ちゃんと交代して
食事をしてから病室に戻ると
絢ちゃんは、学校に向かった。

私は、メイソンの担当の先生と
話すことができた。

メイソンは、昨夜も汗をかき
着替えをさせたり
もちろん、妊婦の沙織だけでは
できないから、病院の看護師さんと
一緒に。

何度か、繰り返す内に
少しだけ呼吸も楽になったように
見えた。

先生もびっくりしていたようだが・・

脱水状態の方は、点滴がどんどん
体に入っているが
やはり、口からの摂取が必須みたいだ。

栄養失調も、同じだが
今は、点滴で維持するしかない。

肺炎は、抗生物質が投与されている。

どのみち、本人が目を覚まさない限り
口からとることは不可能だ。

話を聞いてから
メイソンのご両親に連絡をすると
お義父さんとお義母さんが
駆け付けた。

病気らしい、病気をしたことのない
メイソンだから、びっくりしたらしい。

肺炎と脱水状態は、なんとか
わかるが、栄養失調?に
疑問がわいて
お義母さんが私に訊ねた。

私は、ありのままを話した。

隠しても、この先どうなるかも
わかっていなかったら・・・
それでも、会社での詳しい
状況は、わからないから
アンソニーに聞かされたことのみを・・

お義父さんは、絶句してしまい
お義母さんは、
『なんて、ことを!』
と、一言だけ。

沙織は、
『メイソンが、私でなく
彼女と一緒になり、幸せになるなら
それで構いません。

その時は、日本に戻り
日本でこの子を育てたいと
思っています。

初の孫になるのに近くにいて
見せてあげれないのは
心苦しいけど
彼女は、私よりうんと若いので
直ぐに赤ちゃんも見れると思います。

だから、彼を、メイソンを
叱らずに、彼の思うように
させてあげて下さい。』
と、伝えると
ご両親は、泣きながら
『すまない、こんな風に
思ってくれるサオリなのに。』
『あんなに、サオリを愛していたのに。
どうして、こうなるのか
メイソンがわからないの。』
と、言われた。

お義母さんから、
『少し休みなさい。』
と、言われて、
一度メイソンの家に戻り、
シャワーを浴びながら
洗濯をして少し仮眠をとって
夕方、病院に戻った。

お義父さん達と自分のお弁当を
作ってから。
お義父さん達は、私のお弁当を
嬉しそうに食べてから
『また、来る。』
と、言って帰って行った。

夜に、絢ちゃんが病室に来てくれて
アンソニーも、遅い時間に来てくれた。
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