···やっと日本へ


イタリアに戻ってから一年

メイソンは、馬車馬の用に働き
時間を作っては、日本へと
後半は、中々日本へ行けなかったが
毎日、電話とメールは
欠かさなかった。

ボスから預かった会社を
更に安定させて
ボスと何度も話し合って
自分のかわりの後継者も育てた。

ボスは、サオリ達をイタリアに
呼べば良いと行ったが
メイソンは、日本で
ゆっくり蒼空と過ごしたかった。

後々、蒼空がモデルの仕事を
本格的にやりたいときは
自力でやれば良いと思っていた。

モデルの世界は厳しく
親の七光りなんか
あてにならない
自分の力で成功させて行くしかない。

やっと、全てがきちんとなり
メイソンは、日々の
近況は両親にも話していたが、
日本に永住することを
改めて話した。

メイソンの両親は、
寂しさは、もちろんあったが
『家族は一緒にいないと。』
って、言ってくれた。

アンソニーにも日本へ行く前に
会って話をした。
『二度目はない。
絶対にサオリを泣かせるな。
裏切ったときは、二度と地に足は
つけられないと思え。』
と、言われた。

それでも、長年共にいた
アンソニーとメイソンだ。

どこかでは、離れる事に
お互いに寂しさがあった。

だが、サオリとソラの
仕事の関係もあるから、
アンソニーと、このまま
離れてしまうことはない。


メイソンは、いよいよ
明日、日本だと思い
空港のホテルで眠れない夜を
過ごした。
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