隠れイケメンの王子様に恋しました

誰にもやらない

[今どこ?]

[お疲れさま!今帰るのに電車に乗ったとこだよ]

[じゃあ迎えにいくから駅で待ってて?]

[わーいもう帰れるの?嬉しい!駅で待ってるね!]


「よしっと…」

さっきまでのイライラは無くなり、帰る途中で寄った所でなの葉にラインをして口元が緩むままに顔を上げた。

「雪都さま…」

「立花さんそんな顔してもダメ」

しゅんとする立花さんにちょっと罪悪感が胸を掠めるけども手を前に出し毅然とブロックした。

「じゃあ俺もう行くから……今までありがとう」

「冷たいですね雪都さまは」

「そ、そこまで言うことないだろ~」

年甲斐もなく拗ねる立花さんに一瞬困る。

「雪都さまと土谷さまをお送りするのは私の楽しみでもありましたのに」

「俺をからかうのが、の方が正しいんじゃないの?」

「何を言います?お二方の微笑ましいお姿にこちらも幸せな気分になれたというのに」

さっきまでしゅんとしてたのにニコニコと笑っているのが腹立たしい気もする。
この人も何考えてるのか?食えない人だ。

「とにかく!俺行くから!じゃあねっ!」

立花さんを振り切るようにその場を去った。
なんか後ろで笑われてる気がするけど気にしないでおこう…。
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