隠れイケメンの王子様に恋しました
立花さんには拗ねられたけども、いつまでも甘えてばかりもいられないしちょうど良かった。
自分の車じゃないのがやっぱり引っかかるけど…。

エヴァンを発進させればスムーズに快適な走りをしてくれる。
実はこの車のエンジンの一部は自分の工場で作られているからなんだか感慨深い。

「雪都って車の免許も持ってたんだね」

ポツリと言ったなの葉につい苦笑いを溢してしまう。
今までバイクしか持ってなかったし車を運転する機会もなかったから不思議な感じなんだろう。

「持ってるよ、一応ね。これでも大型の免許も持ってんだよ」

「え?そうなの?」

「そう、工場勤務だからトラックとか運転する機会もあるかと思って取ったんだ」

まだその機会は来てないけど。
へえーと感心してるなの葉にちょっと照れながら手を繋ぐと嬉しそうに握り返してきてほのぼのしながら家路についた。

バイクは後ろにくっついてお互いの体温が感じられてそれも良かったけど、車は横で顔を見て話も出来るしこうやって手も繋げる。
二人の時は車もいいなと思った。
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