隠れイケメンの王子様に恋しました
なの葉を先にお風呂に入れて、考え事をしていた。

大宮のままでいるか御影になるか。

しつこい兄貴の事だ、何かにつけ御影に戻れと言ってくるだろう。
父親の意思でもあるし、母親は好きにしていいと言っている。
今は誰に相談しても御影に戻れと言われるだろうな。
でもまだ修行の身だから本社に引き抜かれるのは避けたい。

だけど御影家最高権力者の爺さんが出てきたら有無も言わせず言いなりになるしかなくなる気がする。
俺はあの爺さんに反抗出きるのか…?

「雪都?お風呂上がったよ、入って来たら?」

「あ?ああ、入って来る…」

隣に座ってきたなの葉はほかほかでいい匂いがして抱き寄せた。
つい首元をクンクンさせてしまう。

「もう、くすぐったい!早く入って来て!」

「うん、もうちょっと…」

同じシャンプー使ってもやっぱりなの葉は花の匂いがする。
なの葉特有の匂いなのかな?この匂いにものすごく癒される。
なの葉もぎゅっと掴んできて肩にすりすりしてきて可愛くて離れがたくなる。

暫くしてからやっと離れ、潤んだ瞳で見てくるなの葉にチュッとひとつキスをしてお風呂に入った。

まだ先の事だから悩んでも仕方ないよな。
今はなの葉を不安にさせないように気を付けよう。
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