隠れイケメンの王子様に恋しました
髪を拭きながらお風呂から出ればなの葉はソファーで膝を抱えてうずくまっていた。

「なの葉?」

声を掛けると一拍置いて頭を上げたなの葉の顔はちょっと緊張気味で俺の手を取って立ち上がった。

「どした…?」

「こっち来て」

怒ってるみたいでどうしたものかと思っている内に寝室へと連れていかれ、電気も付けずにベッドの横に立たされた。

「今日は、私が……し、してあげる!」

「え?…えっ、ええっ!ちょっ!なの葉!?」

腰にタオルを巻いただけの俺の格好。
さっとタオルを剥がされ、座らされ、何をするのかと思ったら、俺のナニを掴んでパクリとくわえられた!

「うおっ!?ちょ…ちょっ!たんまっ!!」

今までそんなことやってもらってはいなかったからかなり焦ってパニクって声が上ずる!

「黙って!やりずらいから!」

「うっ…って…なの葉ぁ………」

怒られつい情けない声が出たけど…。

やったこともないくせに一生懸命してるから大人しくされるがままになってみた。
じっと見てるとちらりと上目遣いの目と合い直ぐに逸らされる。

手の甲でなの葉の頬に触れればすごく熱い。
暗がりであまりわからないけどきっと真っ赤なんだろう。
頭を撫でて目を閉じればなの葉の熱を感じた。
すごく、気持ちがいい。
これぞ男の至福……。
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