隠れイケメンの王子様に恋しました

おまけ

翌月曜日、なの葉に隠れてこっそり益川を呼び出した。

「お前、なになの葉に吹き込んでんだよ?余計なこと言うな」

「なんのことですかー?」

すっとぼけるこの女。
なの葉の親友…いや、悪友。
何かとなの葉に吹き込み困らせ、挙げ句に貴重ななの葉との休みを取られるはめになる。

………

なの葉と付き合い出した頃、呼び出されて文句でも言われるかと思いきや、警戒心顕に低い声を出す益川。

「大宮さん、なの葉のこと本気なんですよね?」

「本気だよ」

真剣な顔で頷けば神妙な面持ちの益川は更に目を細めて訴えてきた。

「…大宮さんが周りに何て言われてるかわかってますよね?そんな大宮さんをなの葉は堂々と好きだと言ってるんです。もし、周りがそんななの葉に何かしてきたら……大宮さんはなの葉を守れますか?」

「守るよもちろん。なの葉は大事な彼女だから」

「絶対なの葉を泣かせるようなことしないでよ!なの葉を泣かせたら私が承知しませんからね!」

「わかってるよ、そんな事は絶対しない」

次々出てくる質問に即答してると何が不満なのかムッとして語尾が強くなる。
きっと少しでも言い淀んだら噛みつこうと思ってたに違いない。

「あたしこんなズバズバ物言う性格だから…高校の時周りから敬遠されてた事があって…それでもなの葉は変わらずあたしの傍に居てくれた。なの葉の前でだけはあたしはあたしで居られるんです、あたしの大事な親友なんだから!」
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