隠れイケメンの王子様に恋しました
なるほど。
心配して言ってると思いきや、親友を取られてやきもちも入ってるな?
益川の怒ってるような顔にピンと来た。
でも、手に入れたからには親友であろうとなの葉はやらない。

「俺もおなじだ」

「え?」

「なの葉の前でだけ俺は俺で居られる。俺の本性を知ってるのはなの葉だけだ」

ニヤリと笑って見せれば、もう聞きたいことは出尽くしたのか諦めたのか、じゃあなの葉に何かあったら連絡するとラインを交換して別れた。

そのラインが効果を発揮したのは少し経った頃。
俺の悪口をしょっちゅう言ってた3人組がなの葉に絡んだ時。
益川は素早くラインで状況を知らせてきて、新技術の追い込みで昼休憩も無しだと言われた矢先に俺は技術部を飛び出して助けに入ったわけだ。
橋本のおまけ付きで。

………

それから特に連絡することはなかったけども今回ばかりは文句のひとつも言いたくて呼び出した。

「どっかのお嬢様と結婚させられる?俺はモテるからいつかなの葉を捨てる?バカなこと吹き込んでなの葉を不安にさせるなよ」

「だって、あり得る話でしょ?」

「そんな事絶対ない!なの葉と別れるなんてあるわけないから!」

これだけは断固否定しておかないとまた何を吹き込まれるかわかったものじゃない。
< 122 / 124 >

この作品をシェア

pagetop