隠れイケメンの王子様に恋しました
みんなそわそわと落ち着かない。

女子社員はイケメンと噂の副社長がいつ来るか。
男子社員は何をしに来て何を指摘されるのか。

気もそぞろな面々を他所になの葉はため息をつく。
副社長よりも部長のことが気がかりで伝票入力も進まない。

「はあ~…」

「ちょっと、みんな意気揚々としてるところに陰気なため息つかないでよね」

「むう~、悪かったわね」

朋絵にとっては何故そこまでなの葉が悩んでるのかわからない。
キスのことまでは話していないからイケメンの部長さんに送ってもらって誕生日祝ってくれたんだからラッキーだったじゃないと言う。

いっそのこと言ってしまおうか…。
あ~~でもそんな恥ずかしいこと言えない!

頭を抱えていると、外が騒がしいのに気づいた。

「なの葉!来た!来たっ!副社長!…と…」

「…え」

事務室に入って来た所長の後に続いて来た人達になの葉は思わず立ち上がっていた。
それは一瞬で周りの事務員達も休憩してた人達も立ち上がりその客人を出迎える。

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