隠れイケメンの王子様に恋しました
何とかドキドキする胸を落ち着かせ仕事を終わらせて帰り支度をして大宮さんの所に行った。
彼がいるのは車のエンジン部品を作っているこの工場要の技術部。
より良い部品を作るために毎日研究を重ねている。

精密機器も扱ってるから部外者は入れないので扉の横の窓から中を覗くと大きな機械の前で何か作業をしている大宮さんが見えた。
コンコンと窓をノックしてみるとそれに気づいた大宮さんが(ちょっとまってて)と口で言ってるのがなんとなくわかった。

うんと頷き真剣に作業をしている横顔を見てほうっとため息が出る。
好きだと気づいたらもう何もかもがバラ色に見えて大宮さんを待ってるこの時間も愛おしく感じる。

「待たせたな」

直ぐに出て来てくれた大宮さんがロッカーに着替えに行った。
そう言えば大宮さんの私服姿って見たことないなと思っていると戻ってきた大宮さんを見て息を呑んだ。

ぼさぼさ頭は残念だけどすらりと細いGパンに黒い革ジャン姿、小さめの黒いボディバックを持っていて背が高くて足が長いからシンプルなのにすごくカッコいい!
そしてなぜか工場で使うヘルメットを持っている。

「行こうか」

「はっはい!」

一瞬見とれてしまって通り過ぎた大宮さんを慌てて追いかけた。

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