隠れイケメンの王子様に恋しました
帰り、ちょっと待っててと言われ待っていると前にも見た革ジャンにGパン姿の大宮さんは黒いフルヘルメットを持っている。

駐車場に行けばあのバイクが街灯の下で鎮座していた。
バイクの前に着くと大宮さんは振り向き持ってたヘルメットをなの葉に被せた。

「大宮さん、このヘルメット…?」

なの葉の質問ににっと笑った大宮さんはバイクの座席に括り付けてるもう一つのヘルメットを取り出した。

「また送ることもあるかと思って用意していた」

「もしかして、私のために…?」

「もちろん」

そう言ってメットを被る大宮さんに嬉しくてなの葉はにやにやが止まらない。
私のために用意してくれた!それが嬉しい。

「これからは時間が合えばいつでも送ってやる。さあ、乗って」

「はい!ありがとうございます!」

声がくぐもるから元気に返事したなの葉は乗り込みエンジンを掛けた大宮さんの後ろに乗った。
ドキドキしながら大宮さんのお腹に手を回す。

「ちょっと寄り道して行こう」

そう言って走り出すバイク。
スイスイと風を切る感じが気持ちよくて温かい背中にくっついて嬉しさで胸が高鳴る。
ぴったりと体を預け腕に力を込めた。


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