隠れイケメンの王子様に恋しました
「大宮さんはブサイクでものっぽメガネでもありません。優しくて素敵でかっこいいんです!なんで大宮さんのいいところが分からないんですか?」

散々に大宮さんの悪口を言い募るお姉さま方に憤るなの葉は立ち上がり毅然と反論した。

「…どこがかっこいいのよあんなのっぽメガネ。頭おかしいんじゃない?」

ねえ~と周りに同調を促そうとしたお姉さま方がぴたりと止まった。
ふわりとなの葉の背中に温もりを感じ腕が回り込む。

「俺は何と言われようと構わないが、なの葉を馬鹿にするな。文句があるなら俺に言え」

低い声が頭の上から聞こえる。
じろりと睨まれたお姉さま方は口を噤んだ。
今までいなかったのにいつの間に来ていたのか、大宮さんがなの葉を後ろから片手で抱きしめていた。

「お姉さま方、周りを見てみたらどうですか?」

朋絵が静かに言うと周りを見たお姉さま方は額に汗する。

シーンと静まり返った食堂。
白い目をお姉さま方に向ける面々。
誰もお姉さま方に同調する者はいなかった。

「こいつ怒らせるとマジ怖いよ、俺も殺されかけたから」

さらに後ろから声が聞こえて振り向くと橋本さんが苦笑いをこぼしてる。

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