隠れイケメンの王子様に恋しました
何も言えずそっぽを向いてこくんと一つ頷くと、ドン引きしたのか静かになったなの葉が気になってちらりと見たら、口元に手をやって笑ってた。

「ぷぷっ、雪都って器用そうなのに洗濯苦手とか…ふふふっ可愛い」

可愛いなんて言われて、今度は目を丸くするのは俺のほうで、引かれると思いきや嬉しそうに笑ってるなの葉をぽかんと見下ろす。

「雪都の作業服はいつもよれよれだけどいい匂いがする訳が解った!」

そう言って腕まくりをする。

「私、これでも家事は得意なの!アイロンある?みんな綺麗にしてあげる!」

これから二人だけの甘く蕩けるような時間が…と思ってたのに、勢い余って家の片付けまで始めちゃって俺も手伝わされ終わったのは夜中。
疲れてその日は泥酔のように寝てしまって起きたのは昼頃。
初のお泊りはそんな感じで終わったけどいい気分で目覚めて隣になの葉が寝てるだけで幸せだった。

それからというもの、俺の家に来ると家事全般喜んでやってくれるなの葉に感謝しつつ、いいお嫁さんになるな、なんて未来を想像したりした。

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