起たたない御曹司君の恋人は魔女
1 ひき逃げ?
 
 心地よい風が吹いている金奈市。

 季節は夏から秋になる頃。



 夜。


 ブロンド長い髪の綺麗な女性が歩いている。

 かっちりしたスーツ姿で、どこかのキャリアウーマンのようだ。

 女性は携帯電話で話しながら歩いている。


「うん、今帰りよ。夕飯何がいい? ・・・うん。・・・そうね遅い時間だもの、それがいいわね・・・・あ、そう。じゃあ、それ作っておいてくれる? 」


 人通りの少ない交差点。

 電話をかけながら女性が歩いて来た。


 歩行者信号は青で、女性は信号を確認して渡ろうとした。

 すると・・・・

 勢いよく右折をしてきた車が現れた。


 女性はハッとして車に気付いて足を止めた。


 その瞬間・・・



 ドサッ。


 車は女性を跳ね飛ばした。


 地面に叩きつけれた女性は血まみれになっている。


 車は止まったが、誰も寄って来ないのを確認するとそのまま走り去った。


 携帯電話が転がっている。


(・・・お母さん? どうしたの? ・・・)


 電話の向こうから声が聞こえる。

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