起たたない御曹司君の恋人は魔女
紗良はリラをパジャマに着替えさせた。
熱が出て来たようで、リラは呼吸が荒くなっていた。
「母さん、あとは俺が診ているからもう休んでいいよ」
「何を言っているの。看病は女の役目なの、結ちゃんは明日もお仕事あるんだからちゃんと休みなさい。良人の部屋で寝る? それとも、お母さん居ないからお父さんと一緒でもいいわよ」
「うーん。・・・ちょっと考える」
「そう、早く寝なさい。それから、この子の名前は? 」
「麻中田リラさん」
「麻中田? 変わった苗字ね」
「うん」
「でもリラちゃんかぁ。可愛いわね」
紗良はリラの額に張り付いた前髪を、そっと払った。
結沙は良人の部屋に行った。
「兄貴、俺今日はここで寝てもいい? 」
「あ? 別に構わないけど、俺まだ起きているけどいいのか? 」
「ああ、別にいいけど。勉強の邪魔? 」
「邪魔ではないが、お前が寝れないんじゃないかって」
「そっか、じゃあ父さんとこ行くよ」