起たたない御曹司君の恋人は魔女
「結ちゃん、結人さんと何話したの? 」
結沙の向かい側に座って紗良が尋ねると、結沙はちょっと恥ずかしそうな目をした。
「別に大したことではないよ。他愛ない事」
「え? そうなの? 結ちゃんが、彼女出来たからコイバナでもしているかと思ったんだけど」
「はぁ? 父さんとコイバナなんて・・・しないよ」
朝ご飯を食べながら、結沙は答えた。
「ふーん。結人さん、結ちゃんに安定した彼女が出いないから。ずっと、心配していたのよ。付き合っているかな? って思ったら、すぐ別れちゃうし。なんとなく、結ちゃん楽しくないようだったから」
「うん。付き合ってて、楽しいとか思ったことなかったね。好きって、何なのか解らなかったから俺」
結人が戻ってきた。
「あれ? 良人はまだ寝ているのか? 」
「昨日、かなり遅くまで起きていたようよ。今日はお昼からって言ってたから、まだ寝ているみたいね」
「そうか」
結人も朝ご飯を食べ始めた。
そんな結人を、結沙はチラチラと横目で見ていた。
今日も1日が始まる。
いつものように結沙が部署に来ると、何だか騒がしい様子。