起たたない御曹司君の恋人は魔女

 しばらくして。

 結沙は紗良が作ってくれたお粥を持って来てくれた。

 栄養がたっぷりとれるようにと、卵の入ったお粥と温かいお茶。


 枕を背中に当てリラは起きている。


「はい、沢山食べてよ」

 結沙がれんげにお粥をすくってくれて、リラの口元に持って来てくれた。

「自分で食べるから・・・いいです・・・」

 ちょっと恥ずかしそうに顔を背けてリラが言った。

「何言っているんだよ、病気の時くらい食べさせてもらえばいいじゃないか。俺も、風邪ひいて寝込んだ時は、よく母さんに食べさせてもらったよ」

 
 そう言って、口元にお粥を持ってこられて。

 リラは素直に口を開けて一口食べた。


 一口食べると、とても美味しくて、思わずリラの表情が嬉しそうになった。


 結沙はちょっとプルっと寒さを感じた。


「あれ? ここの部屋もしかして、寒い? 」

「いいえ、大丈夫です」

「それならいいけど、なんか寒い気がしたから」


 
 結沙はリラにお粥を食べさせた。

 
 誰かに食べさせてもらう事なんて・・・お母さんが生きていた時は、熱を出すとよく食べさせてくれたなぁ・・・。

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