起たたない御曹司君の恋人は魔女
わざわざ気遣ってくれるなんて。
昨日初めて会ったばかりなのに。
ましてや息子の彼女として、いきなり夜遅くに来て、突然一緒に住むことになったのに。
とても優しくしてくれる・・・。
(俺が護るから・・・)
結沙がそう言ってくれた。
「護ってもらって・・・いいのかな? 」
リラの気持ちが揺れていた。
リラがお風呂から出てくると、紗良が美味しいレモン水を出してくれた。
「はい、湯上りのお水。レモンが入ってきて、美味しいわよ」
食卓の椅子を引いて、紗良はリラを座らせてくれた。
「有難う、ございます」
椅子に座り、リラはお水を飲んだ。
いい感じでレモンの香りがして、とても美味しいレモン水に、リラは嬉しくなった。
「あら? リラちゃん、髪乾かしてきた? 」
リラの髪に触れて紗良が言った。
「いえ、いつも自然乾燥なので」
「ダメじゃない、熱下がったばかりなのよ。ちゃんと乾かさないと」
紗良はドライヤーを取りに行った。
「濡れた髪は冷えの原因になるから、ちゃんと乾かしてね」
そう言って、紗良はリラの髪を乾かしてくれる。
「リラちゃんの髪って、とってもサラサラしているのね。もっと長くしたら、とっても似合うと思うわよ」
嬉しそうのリラの髪を乾かしている紗良を、ソファー座っている結人が見ていた。
「はい、これで大丈夫よ」
「すみません・・・」
「いいの、いいの。リラちゃんが来てくれて、嬉しいから」
ニコニコして、紗良ドライヤーをしまいに行った。
リラは一息ついて、またお水を飲んだ。
「あっち~」
良人がお風呂から上がってきて、トランクス一枚でリビングにやって来た。
「ちょっと良ちゃん! そんな恰好で来ないでよ」
紗良が注意すると、良人は、ん? とした目をした。