起たたない御曹司君の恋人は魔女
「全くもう。リラちゃんごめんね、うちは男ばっかりだから」
「あ、いえ。私、一人っ子なので。羨ましいです」
「え? リラちゃん一人っ子なの? 」
「はい。母が、あんまり丈夫じゃなくて。一人しか産めないって、言われたそうなんです」
「どこか悪いの? 」
「あんまり体力的にもなくて、体が弱くて。よく、熱を出して寝込んでいました」
「そうだったの。私も、心臓が悪くて本当は二十歳まで生きていられないって言われていたの。でもね、手術を受けて無事に成功して助かったの。子供も1人が精いっぱいって、言われたんだけど。一度に2人来てくれたから」
「え? 双子なんですか? 」
「そうなの。顔は似ているけど、性格は全く正反対なのよ2人とも」
確かに言われてみれば、結沙はとても優しいタイプだが、良人はガサツなタイプで口も悪い。
双子でも似てない性格なんだと、リラは思った。
寝る時間になり。
リラは結沙の部屋で寝る事になったが・・・。
「え? 」
ベッドに枕が2つ置いてあり、リラは驚いた。
「ん? 」
結沙がやってきて、まくらが2つ置いてあるのを見て、クスッと笑った。
「母さん、気が利くんだね」
「え? 」
驚くリラに、結沙はニコッと笑った。
「一緒に寝てもいいって事だよ」
「え?? 」
「別にいいじゃん、その方が俺も安心するし」
「・・・はぁ・・・」
なんだか本当にちょっと変わっている、と、リラは思った。
結局一緒に寝る事になった結沙とリラ。
リラはちょっと緊張して、眠れないようである。
「ん? どうしたの? 眠れないの? 」
「いえ・・・そうじゃなけど・・・」
ギュッと、結沙はリラに抱き着いた。
リラはちょっとびっくりした顔をした。
「こうしたら、眠れそう? 」
「ど、どうかな? ・・・」
「じゃあ、眠れるようにオマジナイしてあげるよ」
「え? 」
チュッと、結沙はリラの唇にキスをした。
リラは赤くなった。
「おやすみのキス。これで眠れるよ」
おやすみのキスって・・・
リラはドキドキと鼓動が高くなった。
だが不思議と、そのまま眠れてしまい、いつの間にかリラは寝てしまっていた。