起たたない御曹司君の恋人は魔女

「じゃあ、俺がそこまで送って行っていい? 」

「いえ、大丈夫です。1人で行けますから」

「1人でなんて行かせられない! ちゃんと俺が、この目で見たいから。リラさんを、受け入れてくれる人の事を」


 リラは黙って何も答えなくなった…。


「・・・ごめんね・・・」


 急に謝る結沙にリラは驚いた。


「あのさ。もし、もしも。俺が、他の女の人と一緒の所を見て、リラさんが傷ついたとしたら。謝るから…。でもそれは全くの誤解だよ…」


 ギュッと唇を噛んでリラは俯いた。

 その顔を見て、結沙はやっぱりリラがさっきの事を見ていたのだと気づいた。


「俺は、リラさんの事を愛しているんだ…」


 愛している…

 その言葉が、リラの胸にじーんと響いてきた。


「ずっと解らなっかよ。なんで俺は、いっつも起たないんだろう? って思って、フラれるたびに自分の事責めてたけど。リラさんに会って、ちゃんと反応して。初めは分からなかったけど、やっと分かったよ。俺は、心から愛する人にしか心も体も反応しないんだってね。だから…」


 結沙はギュッとリラの手を握った。
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