起たたない御曹司君の恋人は魔女
「・・・決して会社に迷惑をかける事は、したくないと思って。私も自首を進めようと思い、潜り込んでいました。本来なら、この仕事は警察の役目ですが。どうしても、母の無念を晴らしたくて…。親戚の伯父も、家を乗っ取りずっと私を恐喝していたので。その事も含めて、調査に協力していただけなんですが…」
「分かったよ。これで、なんだかスッキリしたよ。俺は、やっぱり君にしか反応しないんだって確信したから」
ギュッと結沙はリラを抱きしめた。
「まだみんなには、秘密にしておくから安心して。でも、2人きりの時は本当の名前で呼んでもいいかな? 」
「あ…はい…」
リラはちょっぴり照れてしまった。
「イディスって名前、素敵だね」
「母がアメリカ国籍を持っていて、それで決めたそうです。父と結婚するとき、母はアメリカ国籍だったようです」
「そうなんだ、リラって名前じゃないって。君のハートが言っていたんだよ」
「え? 」
「俺は時々、ハートの声が聞こえるんだ。今は、とっても喜んでいるよ」
そっと体を離して、結沙はリラを見つめた。
「愛しているから。…これからもずっと、俺の傍にいて下さい…」
「え? …」
結沙は熱い目でリラを見つめた。
「俺と…結婚して下さい…」
え? プロポーズ?
なんで? ・・・
リラは驚いて茫然となった。