起たたない御曹司君の恋人は魔女
「もう何も、心配しなくていいから。これからは、隠し事はしない事を約束してくれるか? 」
「はい、それは勿論です」
「それなら問題はないよ。結沙の事、よろしく頼むよ」
「あ、はい・・・」
よろしく頼むと言われて、イディスは照れてしまった。
結人とも無事に話を終えて。
結沙は改めて、イディスと結婚する意志を伝えた。
結人も紗良も何も反対しないと言った。
ただ、イディスはレイナが亡くなったばかりで喪が明けるまでは、結婚式はできないと言った。
結人は
「それなら入籍だけ、先にしておけばいいんじゃないか? 」
と言った。
「そうね、派手な事は出来ないけど。入籍だけなら問題ないものね。その方が、結ちゃんも安心するでしょ? 」
「え・・・まぁ、そうだけど」
「じゃあ決まりね。明日にでも、届け出して来たら? 」
「明日? そんな早くに? 」
「だって、早くイディスちゃんが私の娘になって欲しいんだもん」
紗良は自分の事のように喜んでいる。
良人は結沙が幸せであればそれでいいと言っている。
全てが解決に向かい・・・。
イディスは麻中田リラとして派遣社員として宗田ホールディングを退職する事にした。
理由は派遣の契約切れでと言う事に。
3ヶ月いたかいないくらいで去ってしまうイディスに、周りの社員はとても寂しそうである。
「また是非きてね」
と声をかけてくれる女子社員もいた。
宗田ホールディングを退職して翌日に、イディスは結沙と籍を入れた。
住む場所は暫く別の場所でと話は出たが、紗良がどうしてもイディスと離れたくないと言う為、隣りに住む事にした。
置いてある家具はちょっと古くなってしまった事もあり、買い替える物は買い変える事にした。
良人は「これで安心して勉強できる」とホッとしていた。
季節は冬になった。