魔女狩り


ラウルの着任により、反乱軍の勢いは収まりを見せ、それによって、抵抗軍の足並みは揃い始めた。


しかし、その一方で、一度崩れた西から南にかけての防衛線は脆弱なものと言え、早急な補強が必要と言えた。


そこで、キリク達の部隊をアトスから出陣させ、国王軍の領土を侵すことで、南への注意を逸らすという作戦が立てられた。


そして、これには、キリクの誠意を反乱軍に見せるという効果も含められていた。















アトスの軍団は機動力に優れていた。


駆神キリクを筆頭に、多くの兵が騎乗戦に優れており、本来国王軍騎兵を指して呼ぶ騎士という名を、アトス騎士団として両軍に轟かしていた。


そして、彼らはまず、その機動力を活かして小さな村々の解放から始めるのだった。















この頃国王軍領土では、魔女狩りの激化が進んでいた。


それは、王の絶対的な恐怖から来るものであり、キリクの存在がその恐怖を高めていた。


抵抗軍にいる可能性が高い魔女の存在だったが、国王はそんなことお構いなしに魔女狩りを酷使するのだった。


そして、そのような背景もあり、国王軍領土においてキリク達は、救いの主となるのだった。


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