魔女狩り
ラウル
「私の力と考えが及ばないあまりに…。」
サラ
「……。」
ラウルは反乱軍の包囲網を掻い潜り
、サピアとグリレイオスの居城の中間地点である、サラの隠れ家に身を潜めていた。
サラ
「…ラウル、決して貴方のせいではありません。
私にもその予兆を見ることが出来ませんでした。」
ラウル
「しかし…。」
サラ
「…どうやら今は世界が大きく変わる時であるようです。
余りにも多くの可能性の分岐に、私の夢見も追いつきません。」
ラウル
「……。」
サラ
「この次何が起こるかもわかりません。
ただ、貴方を生かしてくれたあの方々の為にも、前を向いて歩きましょう…。」
それは、部下を我が子のように愛すラウル故の苦悩であった。
しかし、ラウルもこのままであってはいけないことは分かっていた。
反乱軍が確立した今、
それにより抵抗軍の領土が大きく侵襲された今、
ラウルは前を向き、再び歩み出すしかなかった。