魔女狩り
#20
レザートレインでは、抵抗軍の武装解除が行われていた。
一般兵は鎧を捨て、その槍は、レザートレイン中央の広場へと集められていた。
中には抵抗軍から反乱軍へと鞍替えする者もいた。
一方、重臣達はと言うと、民に扮してその様子を眺めていた。
その頃、ラウルはと言うと、意を決してデザートレインへと乗り込むことを決めていた。
デザートレインの状況は掴めないものの、ただ身を潜めるだけでは状況を打破することは出来ず、賢君グリレイオスの為に、我が身を辞さない覚悟であった。
そして、馬を捨て、密かにデザートレインへと忍び寄るのだった。
多くの戦場を潜り抜けてきたラウルにとって、デザートレインへの侵入は容易なことだった。
途中何名かの兵には眠って貰い、誰に勘繰られることもなくその内部へと侵入していった。
そして、それは、ラウルがグリレイオスの死という確信に迫っているという証拠だった。