魔女狩り
#21
ラウルを欠いたグレイオスはオーランドを放棄し、レターを連れたサラと共にアトスへと訪れていた。
グレイオス
「我ら抵抗軍に残された地はこのアトスのみだ…。」
サラ
「…オーランドのことは仕方ありません。サピアとデザートレインを落とされたのであれはオーランドも時間の問題…、この地で体制を立て直すほかないでしょう。」
キリク
「…よもや、ここまで迅速に反乱軍が動くとは…。」
サラ
「混沌の渦の中、反乱軍も迷走しているのでしょう…。煽られればそれだけすぐに燃えてしまう枯れ草みたいなもの…。何とかして彼らも救いたいのですが…。」
グレイオス
「…何を馬鹿なことを!?奴等は父君を追い込み、ラウル殿すらも殺したのだぞ!?」
サラ
「彼らの本意ではないでしょう。全ては国王の思惑…、そして地位に目の眩んだ将校の仕業でしょう。」
グレイオス
「しかし…!!」
キリク
「グレイオス…、反乱軍の中にも民はいる…。国王領にももちろんデザートレインにもオーランドにもだ。…我らがグリレイオス殿に託されものは一体何だったのだ?」
グレイオス
「……。」