魔女狩り
アトスの周囲には各地から集まった抵抗軍により大規模なキャンプが築かれていた。
その外枠には外壁が築かれ、内側には非戦闘員の集落が点在されていた。
臨むべき国王軍、反乱軍との戦いを前に抵抗軍の準備は着々と整えられていた。
一方、国王軍はと言うと、衰退した抵抗軍を前に魔女狩りを激化させていた。
抵抗軍が窮地に陥れば陥る程、王ダリウスの恐怖心は増し、追い詰められた魔女の力に怯えおののく外なかった。
そして、そんな魔女狩りの恐怖から逃れるべく、国王軍の目を逃れては、東方アトスへと旅発つ者が後を絶たなかった。
デザートレインを抑えた反乱軍は安定しない現状に右往左往するしかなかった。
ゼオに促されるまま事を運んだはいいが、その後の見通しが立たず、抵抗軍を駆逐しようという考えの者もいれば、暫し様子を見ようという考えの者もいた。
そして、その考えをまとめる器などリーベルにはなく、グリレイオスの重臣アルゴスは自由に事を運べるのだった。