魔女狩り

騎士
「砂漠の民の大軍勢がこちらに迫って来ています!!」


ゼノスは耳を疑った。


しかし、それは確かに砂漠の民の軍勢であり、その数は騎士団を遥かに上回っていた。


窮地に立たされた盗賊は、同じ盗賊の民の末裔である砂漠の民に救援を求めていたのだ。


もちろんそれだけで砂漠の民が騎士団を敵に回すわけもなく、今までのマーダーの虐殺が砂漠の民発起の引金となっていた。


ゼノスは動じる騎士団を落ち着かせ、編列を組ませるとその場に待機させた。


そして、ゼノスは単身砂漠の民の軍勢に近づき、交渉を試みるのだった。


砂漠の民もそれに応じ、一人を軍使として進ませ、ゼノスとの交渉に挑んだ。


ゼノス
「砂漠の民は我らを敵に回し、戦争をされる気か?」

軍使
「そんなつもりはない。
しかし、同族の血がこれ以上流されるのを見過ごすわけにはいかないのだ。
どうか捕らえた盗賊を解放してはくれないか?」

ラウル
「それは出来ない…」

軍使
「…騎士ラウルのことはこちらにも伝わってきている。
しかし、こちらも引くことは出来ない」

ゼノス
「…ならば仕方あるまい。
…剣を交えるしかないようだ。
…しかし、征伐軍の我らに勝とうとも、次は更なる力が砂漠の民に降り注ぐのだぞ?」

軍使
「…承知の上だ」

ゼノス
「…」


そして、ゼノスが自陣に戻ると、砂漠の民と騎士団との戦いは始まるのだった。



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