魔女狩り
国と砂漠の民との紛争は、ジャノスの盗賊如何によって決まることとなり、キリクと数名の騎士がグレイオスをジャノスまで連れて行くこととなった。
ジャノスは城の南に位置する要塞都市であり、華やかな都市であるハイゼンとはまるで違う風貌であった。
キリクも何度か訪れたことのある都市であったが、その堅固さには相変わらず居辛さを感じるのだった。
地下牢に入るためのの手続きを済ませた騎士がキリク達の元に駆け寄ってきた。
そして、キリク達はその騎士の後に続き、地下牢へと向かうのだった。
盗賊が幽閉されているという地下牢の入口は堅固な鉄の扉で出来ており、そこを2人の騎士が守っていた。
そして、キリク達が鉄の扉に近付くと、2人の騎士は黙って鉄の扉の鍵を開け、2人係りで重い鉄の扉を開けるのだった。
地下牢の中はジメジメしており、カビ臭さがキリク達の鼻を刺激した。
それは決して心地の好い臭いではなかったが、グレイオスだけはその臭いに心を落ち着かせるのだった。
それも、砂漠の民が時に岩場にアジトを作るからなのかもしれない。
そして、そんな地下牢の中には殆ど光が入らず視界はほぼないようなものだった。