魔女狩り
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その言葉にグレイオスは耳を疑い、キリクは動揺した。
しかし、王へのキリクの対応は早いものだった。
キリク
「この者は名うての戦士。
我らと共に西に同行させてはいかがでしょうか?」
キリクはグレイオスに恩義を感じていた。
キリクはこの提案で、砂漠でのオアシスのこと、荒原でのゼノスのことに報いたかったのだ。
牢に繋がれる屈辱に比べれば、死と隣合わせの戦場の方がいい、それは騎士や戦士の誰もが思うことだった。
ダリウス
「…ラウルのことに加え、ジャノスの魔女のこともある。
そいつを連れて行くわけにはいかぬ。」
グレイオス
「私は魔女とは関係ありませぬ!」
ダリウス
「しかしだな…。」
キリク
「…」
ダリウス
「…マーダーをジャノスに遣わす分、西への戦力が落ちる。
お前がマーダーに匹敵する力があるならば、直接私の監視の元、西に連れて行こう。」
キリク
「!?」
キリクが驚いたのにも無理はない。
グレイオスはこの後、マーダーと闘わなければならなくなっていたのだからだ。