魔女狩り
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キリクの所属する部隊は直ちに城を出た。
この部隊の軍団長はラウルといい、戦場では猛将ラウルと恐れられていた。
しかし、ラウルは戦場から離れれば深い慈愛を持ち、誰からも崇められる騎士であった。
このラウルを先頭にキリクの部隊は東に進路をとり、目的の村であるスサノを目指すのだった。
明朝に城を出た一向は、昼過ぎには城から最も近くの街ハイゼンに到着した。
ハイゼンの人々はラウル騎士団に歓喜の声をあげた。
誇り高き騎士団は多くの人から敬愛される存在であったのだ。
この国の騎士団は身分にはとらわれず、騎士の心とそれを活かす力さえあれば入団することが出来た。
そのためもあり多くの人から騎士団は愛されていたのだ。
そして、一向はそれぞれの馬に水をやりハイゼンの街を後にした。