魔女狩り
騎士達の目の前の土が火柱を吹き上げた。
爆音の正体はまさにそれだった。
ダリウスの指揮する軍の馬列は乱れ、騎士達は動揺するしかなかった。
陣の後方にいるキリク達にも大きな火柱は見てとれ、彼らを混乱させるのには十分だった。
誰もが魔女の仕業ではないかと考えた。
王は困惑するなか、軍を一時後退させるために号令を出した。
しかし、混乱に満ちたその場では王の号令は掻き消され、騎士達は慌てふためくしかなかった。
そして、更なる困難が騎士団に降り注ぐのだった。
城内からの投石器による攻撃だ。
騎士達は王の号令を聞くでもなく、バラバラと後退をし始めるのだった。
王は苦悶の表情を浮かべるしかなかった。
そんな最中、王に更なる悲劇が襲いかかった。
陣の中央に位置していたゼノスが単身突撃を開始し出したのだ。