魔女狩り
キリクは唖然とした。
彼には魔女と関わったという自覚がなかったからだ。
キリク
「な…何のことでしょう?」
それがキリクの王に対する返答だった。
ダリウス
「…グランティアでの火柱、あれは明らかに魔女の仕業であった。
そして、あの火柱が起きる以前のお前の動きは、明らかに不自然なものだった。」
キリクは、はっとするのだった。
王の言葉で、あの時脳裏に響いた声を思い出したのだ。
キリク
「し…しかし…、」
ダリウス
「しかし…何だ?」
キリク
「あの時、私には声が聞こえたのです。
私はその声に従っただけ…。
我らを救ったあの声が、魔女などであるわけがありませぬ。」
ダリウス
「………。」
キリク
「あれは天……、神の声に違いありませぬ。」
ダリウス
「………、キリク…、しばし牢に幽閉されてはくれぬか?」
キリク
「…王が望むのならば。無実が証明されるまで…。」