魔女狩り
グレイオスは不服そうだった。
しかし、キリクの真っ直ぐな眼を前に城内へと引き返すのだった。
キリクはしばらくの間牢に幽閉されるのだった。
キリクの幽閉されている間に判明したことがいくつかあった。
まず一つ目に、ガラド王国の文明がこちらに比べ、非常に進んでいるということだった。
ガラド王国の大軍が山を無傷で越えられたのは、実は魔女の仕業ではなく、火薬の力だったのだ。
火薬の発明されていないこちらの国では想像することすら出来ず、魔女の力とは無関係だったのだ。
そして、更にそれに伴って判明した事実が例の火柱だ。
あれも予め設置されていた火薬を爆破させただけの代物だったのだ。
つまるところ、ガラド王国の魔女との繋がりが稀薄になった今、不可解な行動をとったキリクこそが、一番魔女に近い存在となってしまったのだ。
そして、王ダリウスはこの事実をキリクには伏せ、しばらく監禁しておくことにしたのだ。