魔女狩り
-21-

それでもキリクの忠誠心は不動のものだった。


すぐ隣で行われる非道もまた、王に考えがあってのことだと信じていた。


この忠誠心が、度々キリクの牢を訪れるグレイオスを呆れさせたのは言うまでもない。


しかし、そんなキリクの目の前で行われる拷問は次第に度を増していくのだった。


これがキリクの運命を変える、王への諫言へと繋がるのだった。










その日、王はキリクの様子を見るために牢へとやって来ていた。


キリクは、食事は摂っているものの、やはり牢での生活、連日行われる拷問から来る精神的苦痛により、随分頬を痩けらしていた。


キリク
「王……、私の話を聞いて欲しく思います。」

ダリウス
「………。」

キリクの言葉に、王は無言を呈していた。

キリク
「王がこの城にて行われている拷問。
これは魔女を牽制するためにも、魔女を捕らえるためにも必要なのかもしれません…。」

しかし、キリクは構わず続けるのだった。

キリク
「この仕打ちは無実の者をも巻き込んでしまっているのではないでしょうか?
今一度、魔女狩りについてお考え下さいませ…。」



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