魔女狩り

ダリウスは、心のどこかで自分の過ちに気付いていた。


しかし、認めることが出来ないのだ。


自分は王であり、最大の権力者である。


これは、名君と言われる彼にとっても、絶対の信念だったのだ。


そして、これが、キリクの諫言をさらに捻れた方向へと進めてしまうのだ。















―…キリク抹殺へと















王は、キリク抹殺を秘密裏にマーダーへと告げ、キリクを闇の内に葬ることに決めたのだった。


牢の中で武器を持たないキリクを葬ることなど、マーダーにとって容易いことであり、キリクの命は既に風前の灯火とも言えた。


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