魔女狩り
-22-
キリクが幽閉されている牢へと一つの足音が近づいていった。
漆黒の闇の中、点々と灯る蝋燭の火だけがその者を揺らし、他には何の気配も感じられなかった。
キリクは既に眠りに就いていた。
その一つの足音は、キリクの幽閉される牢まで休むことなく続いた。
眠りに就いていたキリクも、近づいてくる足音に気配を感じ、うっすらと目を開くのだった。
キリクの目には鉄格子の向こうに立つ、一つの影が映っていた。
キリク
「グレイオ…!?」
牢の前に立っていたのはグレイオスだった。
キリクは、グレイオスの口元に立てられた人差し指を見て、グレイオスの名を呼ぶのを途中でやめた。
グレイオス
《静かに……。》
《…お前なら信じないかもしれないが、王がお前を殺そうとしている。》
キリク
《…!?》
グレイオス
《王は、魔女との繋がりを拭いきれないお前を、諫言の反逆と併せて殺す気だ…。》