魔女狩り
キリクの体は震えていた。
王に忠誠を尽くしてきたキリクにとって、グレイオスの言葉など信じられるわけがなかったのだ。
キリク
《そのような嘘が通じるものか…!》
キリクは、必死にグレイオスの言葉を否定しようとした。
キリク
《私は王に仕える騎士だぞ…。》
そう言うキリクの体は、依然として震えていた。
グレイオス
《キリク…、お前の主君に対する気持ちもわかる。
だが、お前は実際にこうして牢に繋がれているではないか。》
そんなキリクに、グレイオスは冷静に言葉を重ねるのだった。
キリク
「こ…これも王に考えがあってのことだ!」
キリクは混乱していた。
何が正しいのかがわからなくなっていたのだ。
王が正しいのか。
グレイオスが正しいのか…。
キリクの頭の中には、忠誠心と疑念、…そして、ある種の不信感が渦巻いていた。
――――ガチャリ…。
そして、そんなキリクを、時は待ってはくれないのだった。