魔女狩り

-25-


粗末なベッドに横たわるキリクに何者かが近付いた。




しかし、キリクの意識はまだ遠く、光の深淵にあった。




キリクの傍らに寄った者がキリクに息吹きを掛けた。




憐れむような優しく流れる風――。




すると、キリクの意識は光の淵から闇の深淵へと向かうのだった。




眉が密かに動き、指先が微かに揺れた。




息吹きを掛けた者は、続いてキリクに呼び掛けるのだった。




しかし、それは声にならず、




しかし、それは確かに伝わっていた。




キリクは光と闇を越え、現実の淵へと生還した。




目がぼんやり霞み、長い間使っていなかったかのような錯覚に襲われる。




暗順応と明順応の境。




キリクに目眩が襲いかかるのだった。

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