魔女狩り
キリク
「あなたが魔女…?」
キリクの声は震えていた。
キリクの思い描いていた魔女とは似ても似付かぬ女性が目の前にいたのだ。
鼻は然程高くなく、
目は引き攣るどころか穏やかで、
声は掠れもせずに透き通っていた。
サラ
「そう、私が魔女です…。
それならば、あなたは私を殺すのですか?」
キリク
「な…!?」
唐突な魔女の質問に、キリクは冷静にはいられなかった。
そして、部屋の外からその様子を見ていたグレイオスは、キリクの小気味の良い姿に鼻で笑うのだった。
サラ
「キリク…、私はあなたに力になって欲しいのです。
もしそれが、私を殺す前であっても…。」
微笑みを浮かべながらそう言う魔女に、キリクは何も言うことができず、ただ、自分がこの者を殺さないということだけは感じるのだった。