魔女狩り
「少し時間をやる――。」
そう言いグレイオスは部屋を出ていくのだった。
残されたキリクはというと、何を考えていいのかがわからなくなっていた。
王――、
魔女―――、
魔女狩り―――、
キリクはただ疲れていた。
何も考えたくない気持ちと、何かを考えなければならない気持ち、それらが入り混じり、まるで白昼夢を見ているようだった。
そんな中、キリクは無性に外の空気を吸いたくなった。
そして、キリクは、鍵を掛けられたわけでもない部屋を抜け出すのだった。
通路に出たキリクは、とりあえずグレイオスに連れられてきた方と逆に歩いてみた。
窓らしい物はなく、蝋燭とランプの火が点々としていた。
ここはどこなんだろう―――?
そんなことを考えながら歩いているキリクに、騒がしい人々の声が聞こえてきた。
通路の先を見てみると、眩い明かりの漏れる部屋があり、どうやらその声はそこから聞こえてくるようだった。
そして、キリクはそこへと進んでみるのだった。