魔女狩り

-29-


サラ
「グレイオスは私の兄なのです。」

キリク
「グレイオスがあなたの兄!?」

サラ
「ええ、私たちは血の繋がった兄妹なのです。」

キリク
「…。
つまり、あなた達は魔女の家系なのですか?」

サラ
「いえ、それは違います。
私とグレイオスは、血の繋がりだけ…。
それ以上も以下もありません。
私だけが魔女で、特別な力を使えるのも私だけなのです。」

キリク
「あ、あなたの母親は…?」

サラ
「私の母親も普通の人。
魔女ではないし、特別な力も使えませんでした。」

キリク
「…あなたはどうやってその力を?」

サラ
「生まれた時からです…。
誰かに与えられた訳でもありませんし…。
…敢えて言うなら魔女から授かった力でしょうか?」

キリク
「…魔女はこの世界にたった一人のはずでは?」

サラ
「その通りです…。
魔女は大いなる力を司る者。
だからこの世に存在出来るのは一人だけです…。
…キリク、どういうことかわかりますか?」

キリク
「…いえ。」

サラ
「……。」


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