魔女狩り
サラ
「…魔女は魔女が死んだ時、地上で一番最初に宿った命にその力を受け継ぐのです…。」
キリク
「…だから魔女はこの世に一人しか存在しないということですか?」
サラ
「その通りです…。
魔女は大いなる力を司る者。
だからこそ魔女は、一人死ねば、一人生まれ、そうして世界とのバランスを保っているのです。」
キリク
「世界とのバランス…?」
サラ
「ええ…、地上はあらゆる生命に溢れています。
魔女は時に生命をも紡ぐのです。」
キリク
「…!?」
サラ
「…まぁ、それはいずれ説明しましょう…。
それよりキリク…?あなたはそろそろ気付いたことがあるのではないですか?」
キリク
「……。
…魔女が死ねばまた生まれて来る以上、魔女狩りは意味がないということですか?」
サラ
「ええ、その通り…。
だからこそ、魔女狩りを止めるためにもあなたの力が必要なのです。」
キリク
「…しかし、そう言うならばあなたが魔女の力で王を屈服させればよいのではないでしょうか?
私は魔女狩りには反対です…。
しかし、それでも私は王に仕える騎士なのです。」
サラ
「…魔女の力は、人を殺したり、傷つけたり、思いを変えたりすることが出来ないのです。
もしそれをしたならば…、」
キリク
「……?」
サラ
「…兎に角、王を屈するには、どうしても人の力が必要なのです。」