魔女狩り
-30-
サラ
「あなたに会わせたい人がいます…。」
キリクの思いを知ってか知らずか、サラはキリクにそう言うのだった。
キリク
「私に会わせたい人…?」
サラ
「はい、…その方も私達にとって必要な存在なのです。」
キリクの質問にそうとだけ答えたサラは、微笑みを浮かべキリクの前を歩くのだった。
そして、キリクはというと、サラの微笑みを不思議に思いつつ、サラの後に続くのだった。
サラが連れてきた部屋の前には、グレイオスが腕を組み壁にもたれながら待っていた。
グレイオス
「遅いぞ…。」
その言葉にサラは微笑み、キリクはサラの会わせたい人と言うのがグレイオスなのかと思った。
しかし、グレイオスは壁から離れて部屋の扉を開けると、キリクを中へと促すだけで、自分は入ろうとはしなかった。
そして、キリクは、そんなグレイオスを一瞥し、魔女狩りへと立ち向かう契機となるべき存在と出会うのだった。