魔女狩り
オーランドが堕とされてはならない理由がもう一つあった。
それは、堕とされオーランドを基点に、国王軍に攻められる可能性があったからだ。
ラウルにしてみれば、北のジャノスと東のオーランドから狭撃されることとなり、それはキリクにとっても同じことだった。
その為、グレイオスは二人の友を守る為にもオーランドを死守しなければならなかった。
そんなオーランドを堕とそうとしていたのが、国王軍の新しい分団長だった。
この分団長は、この数年の間に頭角を現して来た者であり、その力は類い稀なものであった。
そして、この分団長には今までの騎士とは大きく異なる点があった。
それが、目的を遂行する為の合理性と、それを果たす為の冷酷さであった。