魔女狩り
#6
風雲に誘われ、雷鳴と共に姿を現したのは、キリクだった。
光が瞬く間に、後方の奇襲部隊を打ち払い、キリクはオーランド後門へと到着するのだった。
黒雲を呼び寄せたのは、他ならぬこのキリクであり、キリクは自分の防衛する都市アトスから、遥か彼方に位置するこのオーランドまで馳せ参じたのだった。
そして、キリク到着による天候の変化は、抵抗軍の士気を増強させ、国王軍を押し始めるのだった。
勝敗は既に決していた。
復讐心に満たされたゼオにとって、その敗北という事実は許すまじきことであった。
しかし、冷徹冷静な心を持つゼオは、復讐心とは裏腹に速やかに撤退命令を出し、それと同時にある命令を下すのだった…。