魔女狩り
キリクはアトスに戻っていた。
魔女内通の噂はアトスにも広まっていたが、アトスの一団はキリクを心から信頼しており、反逆の起こる様子はなかった。
しかし、問題は南だった。
砂漠の本拠地近くの軍には、キリクを不信視する者も多く、魔女が居なければ争いも必要無いと考える者も現れていた。
そして、人は集う―。
いつしか抵抗軍には、キリクに反対する、反乱軍という組織ができており、抵抗軍の足並みはずれ始めていた。
しかし、反乱軍は抵抗軍への反逆をなしている訳ではなかった。
反乱軍はキリクへの反対はするものの、抵抗軍であることに変わりなく、国王軍との対立も続けていた。
問題と言えば、反乱軍が出来たばかりの組織であり、極めて不安定な状態にあるということだった。