魔女狩り
#11
ゼノスは相変わらずの猪武者であった。
2年前のあの戦いでも、その勇猛な武で抵抗軍への打撃を与え、戦いの終結後にも納得せず、一人で敵陣へと突っ込む始末だった。
そして、そんなゼノスが、戦友ラウルが生きていたこと、更に敵に寝返ったことを知り、わざわざラウルの防衛するジャイスの目前の都市ジャノスの防衛に名乗りを上げたのだ。
さすがのゼノスも、相手が相手なだけに、今まで大きな動きに打っては出なかったが、遂にその時が来た。
ゼノス率いる国王軍はジャノスを発ち、ジャイスの門を壊しにかかっていた。
ゼノスに、特に策などなかった。
ただ真正面から進み、門を突き破ろうとしていた。
本来であったらここで抵抗軍の反撃が行われるが、反撃をする為の兵は民の護衛に回っていた。