死りとりゲーム
強い衝撃を受けたように、悠馬の頭が揺れた。
少し寄り目になって、額の中央に刺さっている鎌を見上げ__ゆっくりと後ろに倒れる。
「悠馬!」
新田くんが駆け出していく。
どれだけ急いでも、もう間に合わない。
悠馬の体は、冷たい廊下に跳ねて動かなくなった。
「うそっ」
ぼそりと呟いたのは、響子だ。
私たちは、お互いにしがみつき、お互いの力に押し込まれ、その場に崩れ落ちた。
伝わってくる震えは、響子のもの?それとも私?
「こ、これ、ゆ、悠馬も?悠馬も⁉︎」
しゃくり上げながら響子が強く問いかけてくる。
悠馬も死ぬのか?明香と同じように、と。
「そんなの分からない!」
金切り声を出し、のし掛かってくる恐怖を振り払う。
この世界で起きたことは、現実の世界でも起きる。
明香の死で、それを目の当たりにしているのに、まだ間違いであってほしいという気持ちが__。
「死ぬに決まってるだろ?」
ぞっとするほど冷たい声がして振り返ると、賢太はこれ以上ないくらい微笑んでいて。
殴られて一回りもふた回りも腫れ上がった顔が、気味悪く歪んでいる。
「あんたね!」と、ついカッとなって立ち上がったとき、足元がグラついた。
あっ、戻ってしまう。
まだ悠馬が生きている、現実の世界に__。