死りとりゲーム
明香の葬儀中に、悠馬が死んだ。
額から血を流し、明香と同じ出血死したんだ。
私たちは個別に事情を聞かれたけど、誰も【死りとりゲーム】のことは口にしなかった。
急に顔が腫れ上がった賢太が疑われたけど、葬儀中に何かをしたわけじゃない。
すぐに解散となった。
「ちょっと待ちなよ!」
響子が怒った声で呼び止めるのは、賢太だ。
悠馬を死にいたらしめた、裏切り者。
「あんたのせいで悠馬が死んだのよ?」と詰め寄っても、賢太は何も答えない。
賢太のせいというより、賢太が殺したんだ。
私も1発や2発、殴ってやりたいとは思うけど__。
「まだ裏切る気か?」
新田くんが、冷静に尋ねる。
悠馬と1番、仲が良かったから、本当なら腹が立って悲しくて、賢太を痛めつけたいはずなのに。それをしたところで、ゲームからは解放されない。
新田くんはまず、私たちが危険から逃れるのを優先してくれている。
悠馬を殺したみたいに、私たちも裏切るつもりか?
じっと賢太を見つめる目には、これまで見たことがない鋭さが宿っていた。
「もう、裏切らないよ。あと2回、協力する」
観念したように、賢太が言った。
たぶん賢太も、ゲームからは抜け出したいんだ。
それにはあと2回、死りとりをクリアするしかない。